8/25、平成の終わり
今日は仮面ライダージオウの最終開放送日
追いかけてきた一つの平成が、ここで終わろうとしている
はじめてクウガに出会ったのは小学生のときで、ロボコンからの温度差たるや凄まじかった記憶がある
仮面ライダーには心底興味が無かったが、一発で魅了された
グロンギに恐怖して、五代が必死に戦う姿に熱くなった
なんだか難しいドラマパートは、見るだけで少し大人な気分になった
月曜日の朝はクウガの話題で持ちきりだった。
やがてクウガが終わり、アギトが始まる
そうやって一年ごとに仮面ライダーは姿を変えて、見ている自分達もゆっくり姿を変えていく
月曜朝に聞こえていた「昨日の仮面ライダー」も次第に小さくなっていき
新しい生活に徐々に塗りつぶされるように、仮面ライダーは思い出となっていく
18歳になり、電王と再会する
カルチャーショック
それでも確かに根底にあるドラマ、熱い思いに拳を握り、涙し、ネットに思いのたけをぶつけた
やがてディケイドの情報が公開されると、思い出や設定を新しい知人と語り合った
「月曜朝の仮面ライダー」が帰ってきた
地元から離れた学校だったので当時語り合った友達はいなかったが、あまりの懐かしい感覚にそれだけで毎週目頭が熱くなった。
卒業し、引越し、仕事を始めて
また仮面ライダーは遠いところへ行ってしまう
「いい年して」とか「もう卒業」とか、そういう気持ちではなく
本当に大事なものが無くなる時は、線がぼやけるように溶けて消えていくものだと感じる
やがて仕事も辞め、音楽で生きていくと自由かつ自堕落な日々を過ごしていた
仮面ライダーはもうすっかり風化した記憶となっていた
が、
ただ一つ、赤いポインターに吸い込まれるように敵を貫くキックだけは。頭に強烈に焼き付いていた
あれはどの仮面ライダーだったけ?
インターネットの発展に感謝したのをよく覚えている
他にも自分と同じように、当時仮面ライダーに憧れた人々が確かにたくさん存在することを知る
安アパートで一人暮らしだった男が時代を逆行する
見たことのあるものから、知らないものまで
こんな敵がいたなとか、やっぱりかっこいいなとか
このデザインはすごいなとか、たくさん
昔は理解できなかったドラマや心理描写に痺れ、インターネットで「月曜朝の仮面ライダー」を始める
仮面ライダーは自分が知らない間にも、どんなときも日曜日の朝にずっと闘っていた
大人になった感情の爆発xインターネット=オタク
きっと昔よりも色々な事が目に付くようになった
いろいろな表現を覚えて
そのせいか言葉遣いも汚くなって
周りを気にして言いたい事を言えないこともたくさんあるだろう
インターネットは便利すぎるから
こんなのは違うとか
認められないとか
よく聞こえてくる
でもそう思えることはどれだけ仮面ライダーを好きなのかの裏返し
きっとこの人にも好きなライダーがいるんだと、思えるようになった
それはきっと、自分の経験した「卒業」から最も遠い感情なんだと今なら思える
だからこそ仮面ライダーは膨大な熱量を持って今尚日曜朝に君臨し、また新しい時代を駆け抜けるのだろう
最後に
仮面ライダーを好きなのはやっぱり「ドラマだから」なんだと思う
どこかで実際に起きているような、そんなリアルを感じるから
それはきっと昔も今も変わらない
いや、昔はきっと本気で信じていたけど
2019年現在仮面ライダーが怪人と戦っている様子は無い
でももしかしたらどこかにいるかもしれないと
可能性はゼロじゃないと
本気で思える事を幸せに感じて
ありがとう
そして
これからもよろしく